1日1日を大切に生きる
3月28日の夜に友人が亡くなった。
同学年の早生まれで享年51歳。大腸がんだった。
彼とは、前職で出会い、20年以上の付き合いになる。
昔からパワフル、豪胆な人で、基本的にビビりで慎重にしか生きられない私から見て、羨ましく思うほど「大胆な」生き方をしていた。
いい意味でも悪い意味でも「自由人」だった。
仕事で一緒に海外へ渡航した際も、危ない遊び場へ豪快に突っ込んでいく。
自分だけではできなかったような体験をいくつもさせてもらった。
13年前、お互い仕事が変わってからは、メールやLINEでの連絡がほとんどで、一緒に出掛けたのは4回ほどしかなかったが、会えば常に変わらない豪快な生き方にエネルギーをもらっていた。
その彼から、余命宣告を受けたと知らされたのは、亡くなるわずか1週間前の3月22日だった。すでに食事ができず、点滴と痛め止めのみの状態になっていた。
面会することも叶わなかった。
電話で直接話しをしたら、こちらが泣いてしまうと思い、LINEしかできなかったが、何度かやり取りすることができ、これまでの想い出話や感謝の思いを伝えられた。貴重な時間をいただけたことに感謝している。
彼とはまだ果たしていない約束がいくつも残った。
一緒にラスベガスに行ってカジノをすること。
私が彼に食事を奢ること。
彼が赤、私が黒のフェラーリを買って見せ合うこと。
これは叶わない夢になってしまった。
しかし、まだ叶えられる約束も残っている。
その一つが、「全国マスターズで個人種目で優勝する」こと。
私が47歳のとき、全国マスターズの400mリレーで優勝した際には、彼は自分のことのように喜んでくれ、その際に次は個人での優勝を目指してほしいと言った。
彼に、あの時の約束を果たせたと報告しにいくことが私の人生の目標になった。
才能に恵まれない私が、全国を勝つことは生半可な努力では達成できない夢だが、彼に誇れない生き方はできない。
今の時間を与えられていることに感謝し、1日1日を大切に全力で生きていく。